第3章 画像の座標系と数値ファントム
BlochSolverを用いて,Bloch simulationを行うにあたり,MRIで使用される座標系と,数値ファントムの座標系の関係を明確にする必要がある.
Fig.3-1に,MRIで使用される座標系を示す.このように,x方向は患者の左右方向(右が正),y方向は上下方向(下が正),z方向は足から頭に向かう方向(上が正)である.
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よって,各スライス面を,「左上を画像座標の原点として表示する」ためには,z方向下向きを負の方向(-z)にする必要がある.
このためには,頭部の数値ファントム(3Tで撮像した頭部画像から作成した,0.86mm立方の数値ファントム)(3)を,Fig.3-2のように置いて,z方向の位相エンコードの符号を負にするか,z軸を反転して,zエンコードの位相エンコードの符号を正にする方法がある.この解説では,後者を採用する.
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3. 巨瀬勝美,巨瀬亮一,玉田大輝,本杉宇太郎.3Tにおける脳MR画像を用いたBloch simulatior用数値ファントムの作成,第52回日本磁気共鳴医学会大会ポスター発表 PS1-8.2024年9月,幕張メッセ.