第17章 スパイラルスキャン法

Non Cartesian sampling法のもう一つの代表的手法が,Spiral scan法である.この手法は,1本のトラジェクトリで,k空間を覆うのではなく,通常は,複数本のトラジェクトリで,k空間をカバーする

Fig.17-1に示すのは,kトラジェクトリの例で,このトラジェクトリを一定の角度で回転することにより,k空間をカバーする.特に,動径方向は,信号サンプリングに関するNyquistの定理を満たすように設計する

Fig.17-1. スパイラルスキャンのkトラジェクトリの例(画素サイズは0.86mm平方)

Fig.17-2は,Spiral scanのシーケンスチャートであり,Fig.17-3は,そのソースコードである.グラジエントの波形は,G1.dblG2.dblという波形ファイルを読み込んで生成する.

Fig.17-2. スパイラルスキャンのシーケンスチャート

Fig.17-3. スパイラルスキャンのシーケンスのソースコード

Fig.17-4は,TR = 500 msTE = 8 msのときのBloch simulationによる,axial,coronal,sagittal画像である.RF spoilingを行い,T1強調画像を取得している.このため,信号計測の前に,10回のダミースキャンを行っている.

Fig.17-4. スパイラルスキャンによるT1強調画像(TR = 500 ms,TE = 8 ms)

Fig.17-5は,TR = 4000 msTE = 8 msのときのBloch simulationによる,axial,coronal,sagittal画像である.このように,プロトン密度強調画像が得られている.

Fig.17-5. スパイラルスキャンによるプロトン密度強調画像(TR = 4000 ms,TE = 8 ms)

スパイラルスキャンには,信号の収集効率が良いエコータイムを短縮できる,などのメリットはあるが,静磁場の不均一性や,グラジエントの非線形性の影響を受けやすいという欠点もある.また,B0渦電流の影響なども指摘されている.