第14章 二次元マルチスライス高速スピンエコー法
第13章で,二次元マルチスライス高速スピンエコー法の基礎となる,二次元マルチスライス・マルチエコー法のパルスシーケンスが完成したので,本章では,第12章で解説した,高速スピンエコー法をこのシーケンスに適用する.
Fig.14-1には,プロトン密度強調マルチスライス高速スピンエコー法のパルスシーケンスのソースコードを示す.このように,マルチスライスにおける複数のエコーに,高速スピンエコー法のための位相エンコードを行っている.同様に,T2強調マルチスライス高速スピンエコー法は,Fig.14-1に示す位相エンコード関数のみを変更することによって実現することができる.

一方,マルチスライスFLAIRの場合には,脳脊髄液の信号(T1は約4,000 ms)を消去するためには,inversion timeを2,000 ms程度に設定する必要がある.また,inversion pulseは,隣のスライス面の核磁化の回復に大きな影響を与えるため,Fig.14-2に示すように,全24スライスの内,偶数番目の12枚のスライスと12枚の奇数番目のスライスを,それぞれ別々に反転し,高速スピンエコー法で撮像する必要がある.

また,T1強調マルチスライス高速スピンエコーでは,TRを短くしてコントラストを付与するため,4個のエコーで高速スピンエコーを行うが,TRの間に,24枚のスライスを収容することができないため,FLAIRと同じように,偶数番目と奇数番目のスライスを別々のTRで収集することを行っている.
Fig.14-3~Fig.14-5に,プロトン密度強調,T1強調,T2強調マルチスライス高速スピンエコーによるaxial画像を示し,Fig.14-6に,マルチスライスFLAIR画像を示す.



