MRI simulatorとは,コンピュータ上に,MRI現象を再現したものです.

MRIの実機に比べ,MRI simulatorには,以下のような特長があります.

  1. 実機に比べ価格が遥かに安いため,個人で専有でき,いつでも使用できる.
  2. 実機で使用されるパルスシーケンスと,事実上同じものが動作するため,パルスシーケンスの理解に最適.
  3. ハードウェアの不完全性(静磁場不均一性や渦電流効果など)に影響されない,理想的なMR信号(Ground truth signal)を得ることができる.特に,熱雑音にマスクされないMR信号が得られるため,実験では得られない結果が得られる.また,理想的な再現性が達成される.
  4. ハードウェア環境を,任意に設定できるため,ハードウェアに由来するアーチファクトを再現することができる.また,実験では実現できない条件(超高磁場,超高速グラジエント)での信号も得ることができる.

 

また,当社で開発したMRI simulatorであるBlochSolverには,以下のような,際立った特長があります.

  1. 32ビット浮動小数点数によるMRI simulationを可能とし(世界初),普及型のGPUが使用できるようにしたため,ハードウェアのコストを従来に比べ,数分の一以下とした.
  2. Pythonを用いた,簡潔で柔軟なパルスシーケンス開発ツール(PSDK)を独自に開発し,数十行程度で,ほとんどのパルスシーケンスを記述できるようにした.
  3. GPUの性能を最大限に発揮するプログラミング技術により,世界最高の処理速度を達成した.

 

このため,BlochSolverは,以下のような目的に使用することができます.

  1. 放射線科医,診療放射線技師,理工系学生のMRIの本格的な学習(自習)
  2. MRI研究者による新規パルスシーケンス開発や試用
  3. 画像再構成研究のための理想的MR信号の生成
  4. MRIユーザーのマシンタイムの補完(実験計画への応用など)
  5. MRI実験結果との比較による問題点の検証
  6. 深層学習のための学習画像の大量生成

以上の目的を達成するための「MRI simulatorを用いた独習パルスシーケンス」という教科書を出版予定です.この教科書とBlochSolverを用いることにより,MRIの最前線まで,最短の時間で到達することができます.

 

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